教育方針

教育方針


1.関西最古のミッションスクール

神戸女学院は1875年に創立された、ミッションスクールとしては関西で最も長い歴史をもつ学校です。神戸女学院中学部・高等学部は、中高一貫校として、社会に必要とされる女性のリーダーを育成する使命を担ってきました。


2.キリスト教に基づく教育

(1)礼拝
神戸女学院はプロテスタントに属するキリスト教主義学校です。毎朝8時30分から20分間、全校で讃美歌を歌い、聖書を読み、お話を聞き、お祈りをする形式の礼拝を守っています。
礼拝の中でのお話は聖書科の教員や近隣の教会の牧師、外部の講師がすることもありますが、在校生や卒業生、教員もお話をします。礼拝担当者が考えたことや、日頃感じたことなどを素直に話し、全校生徒と教員がそれに耳を傾けるという時間の中で、生徒も教員も同じ時を共有し、神さまに心を向け、自分の生き方を見つめます。礼拝を通して、いかに生きるべきかをそれぞれが考えます。自分が何をすべきかに気づく備えをするための静寂の時間を、本校では大切にしてきました。一日を礼拝で始めること、どんな行事も会議も祈りをもって始めるという習慣は、生徒のみならず教員にも常に自らを振り返る機会を与えています。

(2)聖書の授業
週に1回、聖書の授業があります。聖書の内容、神戸女学院の歴史、日本と世界が直面している課題などから、いかに生きていくかを見つめていく授業です。知識としての宗教ではなく、生きることを深く考える時間として根づいています。

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3.特色ある英語教育

中学部3年間の英語の授業では、ネイティブ教員も日本人教員も原則として日本語を使いません。生徒たちは、あたかも母国語のように英語を学ぶ環境に置かれます。中学1年生では、まず徹底的な発音指導にはじまり、ペアティーチングでネイティブ教員と日本人教員が交わす対話を通して、英文とその意味を理解し、いちいち日本語に置き換えることなく自然に英語を身に着けていきます。2年生、3年生になると、本校伝統の独自のシラバスに従い、既習事項に少しずつ積み上げていくようにして、さらに高度なリスニング、スピーキングを身につけていきます。加えて自主教材プリントを用いてリーディングやライティングの力もつけていきます。中学部3年間で培われた4技能は、その後の学習の基礎となります。中学卒業時点で実用英語技能検定2級、準2級に合格する生徒が大勢います。

高等学部においても、音声面を重視する方針には変わりなく、各学年週6時間のうち、2時間は、専任の北米ネイティブスピーカー単独のオーラルコミュニケーションの授業があります。単なる日常会話にとどまらず、社会問題や文化比較などのテーマをとりあげ、映像や音声の教材を活用して学び、また調べたことや意見を発表します。
週1回2時間連続の選択授業では、英語(日本人担当リーディング、ネイティブスピーカー担当オーラル)以外にも、フランス語、ドイツ語を学習することができます。少人数クラスで、生徒の希望もとりいれ、きめ細かく自由度の高い言語活動を行なっています。
高等学部3年の9月には、6年間の英語学習の成果を客観的に判断するため、TOEFL ITP Level 1を全員が受験します。例年、本校生徒の平均は、677点満点中480点前後(参加高校平均420点)です。生徒の約3分の1が500点以上を、そして約1割が米国大学留学基準点とされる550点以上の得点をとります。

授業以外に、中学3年生以上の生徒達には、校外への英語スピーチコンテストへの出場を奨励しています。応募者の中から、校内予選で選ばれた生徒に個人指導をして送り出し、優秀な成績をあげています。英語を一つの手段として異文化を理解する力を育むことを常日頃から重要視し、ネイティブ教員や外国人留学生とのふれあい、海外への留学、姉妹校(オーストラリアのMethodist Ladies’ College)との交流、海外研修などの機会を提供しています。
このように、進級するにつれてさらに磨きをかけた英語力で、卒業生は分野を問わず大学や社会で、国際的に活躍しています。

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4.ヴォーリズ建築と岡田山の自然

阪急電鉄門戸厄神駅から住宅街を抜けて岡田山を登ると、美しいキャンパスが現れます。昭和初期、神戸女学院の新しいキャンパスを設計したウイリアム・メレル・ヴォーリズ氏は「真に芸術的な建築・学習空間は優れた人格を形成する」という理念のもと、温かい雰囲気の校舎を作りました。全国に残るヴォーリズ建築の中でも、キャンパス全体に建築当初の建物がこれだけの規模で現存しているところはありません。そのため神戸女学院はヴォーリズの建築理念を知ることができる代表的な作品と評されています。高い天井、幅の広い廊下、四季の移ろいを毎日肌で感じることができる自然環境の豊かさは、在校生、卒業生が大切に受け継いできた本校の財産です。

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5.自由な校風

神戸女学院では、一人一人が自主性をもって、自らの果たすべき責任を充分に果たす人間になるという意味での「自由」を大切にしてきました。この自由は、神の呼びかけにふさわしく応答しようとする者の態度を指します。つまり、他者のために自分が何をなすべきかを考え、自らの良心に従って、その役割や責任を果たそうとする態度を自由と呼んでいるのです。
このような意味での自由な校風を象徴するものとして、神戸女学院には細かい校則がありません。創立以来、制服を採用していないのもその1つです。学院生活を通して生徒たちは校則によってではなく、自分で考え、判断する力を養い、良心に照らして自らを律することを学んでいきます。「生徒主体」という校風が守られているのも、この「自由」を大切にしているからです。

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6.生徒主体の学校生活

神戸女学院には生徒が主体となって行うさまざまな行事があります。「自由・自治」の精神のもとに、先輩から後輩へ、毎年受け継がれていく行事です。
神戸女学院の自治会は1907年に発足しました。今でこそ自治会はどこの学校でも見られるものですが、100年前の学校で自治会活動が認められるのは稀でした。神戸女学院では長い歴史の中で「生徒主体」の校風が培われ、「自由・自治」の精神のもとで学校生活が営まれてきました。
体育祭や文化祭といった大きな行事は企画実行委員会を中心に運営されます。讃美歌コンクールや、校内大会(球技大会)、体育祭での学年パフォーマンスといった行事も委員の生徒を中心に運営しています。生徒たちは委員の呼びかけに応える形で力を合わせて行事をつくり上げていきます。協力を呼びかければ必ず応えてもらえるという信頼感が生徒たちの自主性を育むのです。
毎年、新入生を迎えるのはJ1デイキャンプのカウンセラーの生徒たちです。およそ1年間をかけて、新入生がよいスタートを切れるようにと準備を重ねています。熱心に取り組む理由を聞くと「自分たちも先輩に助けてもらったから」という答えが返ってきます。こうして神戸女学院では先輩から後輩へと、ごく自然な形で、校風が受け継がれているのです。

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7.全人的教育

神戸女学院が展開している全人的教育は、「個性的な人格の形成をはかる教育」「人格の新生を目指す教育」です。その背景には、近代以降の国家や社会が、教育についてその時その時に主な目標・目的としていたことに必ずしも同調せず、真に大切なものを守ろうとしてきた本校の伝統があります。教育とは何かを考えたとき、「この学校に入学して何を学んだか」ということも大切ですが、「何を考えることができるようになったか」ということが重要です。「自分には何ができるのか」に気づかせること、そして「自分ができること、すべきことに向かって、自ら道を切り開いていく力を身に付ける」ことこそ、教育の真の目的だと考えます。
受験産業主導の偏差値信仰や過度の得点競争とは明確に一線を画しつつ、知識を身につけるだけではなく、自分で問題提起をし、その解決法を自分で模索し、答を見つける力と深い思考力を養っています。

クラス・学年(約140名)の濃密な人間関係を横軸とし、一方、学年を超えた生徒の交流を縦軸として、豊かな人間関係を構築しています。
高い潜在能力のある生徒に多様な経験をさせ、色々な可能性に挑戦させています。その結果、多様な進路に進むことが可能になっています。
神戸女学院で構築された人間関係は、卒業後も継続し、「女学院の卒業生」というだけで同志意識が生まれるくらいの強い絆が結ばれるのです。これは、社会人になってからの人脈にもなっています。社会人となって壁にぶつかった時、この人脈で道が開かれた卒業生もいます。

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8.卒業後の進路

神戸女学院では進学実績を公表していません。卒業生の進路状況はもちろん把握していますが、数値化して公表することはしていません。それは大学進学を教育の主たる目的としていないからです。大学受験の結果は、生徒一人一人が自己実現のために努力した成果と考えており、その結果の公表は、必ずしも学校のめざす理想を具体的に示すものではないと考えています。神戸女学院の授業で培われる学力は、「大学受験にも耐え得る学力」であって、「大学受験のためだけの学力」ではないのです。大学への進学は神戸女学院中学部・高等学部の教育の結果であって、決して目的ではないという姿勢で日々の教育に臨んでいます。

しかしそれは自由放任の教育ではありません。中学部のあいだは、基本的な学習習慣を身に付けさせ、高等学部では、発展的・主体的な学習態度を身に付けさせます。また、一人一人の生徒に合わせて、その生徒の学習を支えていきます。神戸女学院大学への進学も選択肢のひとつとして在学中から情報を提供しています。希望者には大学の授業を受講する機会も与えています。

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9.愛神愛隣

神戸女学院においては「愛神愛隣」の精神をモットーとして、キリスト教に基づいた全人的教育を展開しています。その目指すところは、教育によって培った知識や力を、自分のためだけに使うのではなく、社会や隣人に対して「仕えうる者」になることです。「仕えうる者」になるためには謙虚であるだけでは十分ではありません。仕えるための能力や実力を身につけていなければなりません。

学力に加えて、学校行事や自治会活動、人権学習、ボランティア活動や修養会(釜ヶ崎訪問、養護施設訪問、広島での平和学習、ハンセン病療養所での交流と学習、ユニセフ募金活動)などを通して得られるリーダーシップや協調性、応答性を身につけることを目指しています。生徒たちは自らの能力を高め、神さまからいただいている賜物を磨く機会を共にし、その能力や賜物を他者のために用いる生き方を模索しています。

生徒達が進路を決める際に大きな影響を与えているのが、毎朝の礼拝でのお話や、学校行事での経験です。さまざまな人生経験、職業経験をされた方々のお話を聞く機会を6年間毎日与えられているので、その年齢に応じて、各自が自分のこれからの生き方について考えます。自分が進みたい道に進むには、どういう勉強をしなければならないのか、その一番の手本は身近な同級生や上級生、卒業生たちです。

人生の基礎となる大切な中高時代を「ライバル」ではなく「友」とともに成長し、学院生活を通して得た貴い志と確かな実力を携えて、次の進路に巣立っていくのです。

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