部長あいさつ

部長あいさつ 舩橋部長

 中学生高校生の六年間は、子供から大人になる過渡期、つまり思春期青年期にあたりますが、この時期の特徴は何でしょうか。光をあてる視点によって見方は違いますが、私の経験からは「迷い」という言葉がまず浮かびます。八方に道が分かれる「米」と、進む意味の「しんにょう」(しんにょう)の会意形声文字で、分かれる道が多くどの道に進むか交差点でまようことを表しています。

 自分の力、才能、性格、容貌を見ては、こんな自分でも生きて行けるのかと悩み迷い、人と比較しては有頂天になったり自信喪失で落ち込んだり、それも一日の中で何回か繰り返す、とかく振幅の激しい不安定な時期を過ごしました。もちろん大人になった今もよく迷いますが、価値基準が堅くなってきて判断が早く出来るようになったかな、と思っています。

 つまり中高時代は、正しく迷う事を身をもって学ぶ時期だと思います。ドイツの文豪ゲーテは、こう書いています。「君が最善を望むなら、自分だけの力に頼まず、先人の感覚に従いながら、ともに迷ってみることだ。」と。正しく迷わなければ、よく生きることもできず、よく死ぬことも出来ないのです。

 中高時代を月に喩えるなら、三日月で、大人は半月でしょうか。ともに神の前では未熟であり、人間とは満月に向かって成長する存在です。そして、共に「先人の感覚」に頼み、正しく迷い続けるのです。

 神戸女学院中高部では、毎朝八時半から、900余名の三日月と40余名の半月が一堂に会して、神様の前に首を垂れ、聖書の神の言葉という「先人の感覚」を聴いています。正しく迷うために、正しく生きるために、正しく神を礼拝し、人に社会に奉仕するために。

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